『今ここ』に生きる

『今ここ』に生きる


人は、過去でも、未来でもなく、今にしか生きていない…

今この瞬間、瞬間をどう思い生きるか が大事…


理論的には 解っちゃいるけど なかなかこれが出来なくて 
ただでさえマイナス思考の私は
つい 過去にばかり囚われしまう…  

君を亡くしてからは、なおさらに


兄嫁さんからのSOSで2年ぶりに帰省できたのは、良かった。
でも、母の物忘れの急加速を目の当たりにし、戸惑いと困惑と対処のストレスで 
ついに 私がダウンした。
 

良き専門医と出逢え、適切な治療とケアと毎日の会話の甲斐あり、母と自分の状態が 落ち着いてくると 
捉え方にも 余裕がでてきた。
順応というのかな… 


認知症って、ある意味
『今ここ』の達人と
言える

短期記憶… さっきのことが、みごとに記憶されない

過去の積み重ねの先に未来があるのではない

今の瞬間に生きている

今、初めて体験し 感じて 
毎度 新鮮なのだ

「初めてだ…」って、いい 感心している  

「お母さん、いつも、新鮮でいいねぇ…」

不思議な現象にも、同居の兄嫁さんと 笑える余裕ができた。


反対に 長期記憶はしっかり残っている  
時代的に 戦争が絡むのが可哀想なのだけれど

昔の記憶は、変わらずしっかり残っている

ただ、すごいスピードで記憶の消去が始まっていて
どんどん過去に遡り
消えていく… 

どこまで、消えていくのか…

今の家族も忘れて 
生家に戻っていく… 


私のことも忘れてしまう日が明日にでも来ようとしている… 
その焦りが
連日のようにドライブに出掛けるアクセルになっていた



母に記憶はされなくても、
自分の思い出作りだけ
のために 
写真をたくさん残した 

やがて、忘れてしまうであろう 未来の私 のためにも… 



藤井風君の歌が 久々 浮かんできた

「 ああ… 
  すべて忘れて帰ろう 
 ああ… 
  すべて流して帰ろう」 
 
 
 すべて忘れて還ろう… 

  と しているのかな

     母よ