――――ただいま —
歌 手嶌葵
詩・いしわたり淳治
曲・村松崇継
あなた宛ての郵便がまた
ぽつりぽつりと届きます
ドアを開けて点けた明かりが
今日もこの胸を暗くする
別れ話は冗談だと言って
ふざけた顔で驚かせてお願い
「ただいま」とつぶやいた
同じ景色にあなただけがいない
※愛していると素直になれば
思いはすべて伝うでしょうか
頬をしずかに流れた星に
祈る願いは叶うでしょうか
去年一緒に旅行に行った
長い休みがまた来ます
「次は君の生まれた町が見たい」と
約束してたのに
散らかす人のいなくなった部屋は
悲しいくらい綺麗に片付いたまま
散らかった思い出は
仕舞い切れずに胸をあふれてくる
ひとりで生きていけるそぶりが
上手くなるのが嫌になります
誰も知らない弱い私は
いつか誰かに出会うでしょうか
忘れ物の腕時計がこの手の中で
ああ もう戻らない時間を無情に刻む
※
あなたの声の「おかえり」がまだ
目を閉じれば聞こえてくる
『 同じ景色に あなただけが居ない 』
農園、果樹園、庭、家の中、君の部屋・・・
同じ景色に 君だけが居ない不思議に
まだ 慣れない
君の遺影に まだ 手を合わせられていない
「じゃ、行ってくるねー」
「ただいまー」
・・・って 笑顔で手を振る
きっと
まだ、居なくなったの
認めたくないんだな