心情重なる歌を捜して①

 

  

――――ただいま —      

歌 手嶌葵 

  詩・いしわたり淳治

  曲・村松崇継

 

あなた宛ての郵便がまた 

ぽつりぽつりと届きます

ドアを開けて点けた明かりが

今日もこの胸を暗くする

 

別れ話は冗談だと言って

ふざけた顔で驚かせてお願い

「ただいま」とつぶやいた

同じ景色にあなただけがいない 

 

※愛していると素直になれば

思いはすべて伝うでしょうか

頬をしずかに流れた星に

祈る願いは叶うでしょうか

 

去年一緒に旅行に行った

長い休みがまた来ます

「次は君の生まれた町が見たい」と

約束してたのに

 

散らかす人のいなくなった部屋は

悲しいくらい綺麗に片付いたまま

散らかった思い出は

仕舞い切れずに胸をあふれてくる

 

ひとりで生きていけるそぶりが

上手くなるのが嫌になります

誰も知らない弱い私は

いつか誰かに出会うでしょうか

 

忘れ物の腕時計がこの手の中で

ああ もう戻らない時間を無情に刻む

あなたの声の「おかえり」がまだ

目を閉じれば聞こえてくる

 

 

 

『 同じ景色に あなただけが居ない 』 

農園、果樹園、庭、家の中、君の部屋・・・

同じ景色に 君だけが居ない不思議に 

まだ 慣れない

 

君の遺影に まだ 手を合わせられていない

「じゃ、行ってくるねー」

「ただいまー」

 ・・・って 笑顔で手を振る

 

きっと 

まだ、居なくなったの

認めたくないんだな