天使の羽根のつけ根

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【哀しみがたまる場所】   

                                                   『月夜の梟』より 

 

ストレスを点数化したランキング一覧表を見ていた。

他を大きく引き離して一位に輝くのは

「配偶者、もしくは恋人の死」であった。

 

「家族の病気」というのは四位。

今さなながら、この数年の間、自分が相当のストレスに晒(さら)されていたことを改めて思った。

 

渦中にある時は感じないもので、それゆえ、一切が終わった後の、拭いがたい疲労は まったくもって手にあまる。加えて、死別後のコロナ自粛、という想像もしなかった事態にも追い込まれた。

 

これまで「孤独」という言葉を幾千回も小説の中で書いてきたばずなのに、「孤独」というものの実態など、

何もわかっていなかったと思い知らされた。

自作の中で軽々しく、「孤独」を書き綴ってきたことのしっぺ返しだろう。

 

そんななか、慢性的な肩こりが悪化し、治らなくなった。首や背中の痛みも出て来たので整形外科を受診。

少しの間、定期的に理学療法を受けることになった。

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まったく その通り 私の気持ちを表現してくれているような文章でした。

 

単純に ただ 喪失感に泣きたいのに、まだ 泣けていない  6回目の月命日でした。

 

「死後のさまざまな手続き・・・それがあるうちは、

だいじょうぶ、それらが一段落してからが、

哀しみの本番よ・・・」 経験者のアドバイス通り

その時期が来ようとしていました。

 

そして【哀しみがたまる場所】までも 同じでした。

 

肩甲骨の内側が この半年ずっと 酷く苦しいほどに凝っていました。

私は、そこを 【天使の羽根のつけ根】と呼んでいました。 

必死に飛びつづけてきた翼のつけ根は もう疲れきっていたのでした。

 

そして、 最近になって気がついたのは 

「私の涙壺は そこにあったんだ・・・」 ということ 

でした。