ペールブルー

 

 これで さよなら あなたのことが 何よりも 大好きでした

 望み通りの終わりじゃなかった―――

 

 「長く生きてね ここで 介護もするし わたしちゃんと看取りもできるから

 安心して生きてね どんな姿になってもいいから ずっと一緒に居てね 」

100歳まで 生かす自信 あったのに・・・

 

あなたは どうですか――

 

「病気は辛い、、、 僕は、ぴんぴんコロリがいい  それでね

 『あれ? 僕 終わっちゃったの?』っていうのが いちばんいい 」

 言っていたとおりになったね・・・

 でも 早すぎるよ、、、

 

 行かないで ここにいて 側で 何も言わないままで―――― 

 

「逝かないで――――!!!」

 救急隊が駆けつける前に 意識消失していく君に 叫んだ

  

 

 

「海の仕事がしたい」「私と結婚したい」「海で暮らしたい」

 みんな叶えてきて

「 死に方まで 君、夢実現?! 」

「 君、やるね! 潔いね! 」  

そう思うよ 

  

誰もが望むその死に方を 

なかなか選ぶことができないことを 

君はやり遂げた

そこまでも 『夢実現』したんだよね 

 

入れ歯にもならず、おむつにもならず、

誰の世話にもならず 私に世話をさせず 

自分らしさのまま 

尊厳のまま 

私の腕の中で 

最高最善の時に 

最期まで 素敵な笑顔の君のままで

綺麗に 永遠の「さよなら」したね・・・

 

名の通り 清らかな人生だった   

 

鼻先が触れるくらい あなたを見つめたい―――

互いに見つめ合っていた 毎日だった

出逢った時から ずっと恋していた    

たぶん 今のほうが 

ずっと ずっと 恋をしてる

 

どこか導かれるようにあなたと出会いたい――――

時間軸の歪みのどこかで  

パラレルワールドの交差する瞬間があって  

もしかしたら また 逢える氣がしてる

逢いたい・・・

湧きたつ旅心には それがある 

見知らぬどこかで 

君が待っている 

氣がする 

そしたら 

  

忘れられないくらいに 抱きしめて――― 

 

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