幸運な種

カブトムシで思い出した詩があります。

 

【森の本】より     ネィチャー・プロ編集室 

 

 『幸運な種』

たねは、何十年も、何百年も、土のなかで

芽生えの日を 待ちつづけることがある。

そのうちに、死んでしまうものもある。

芽生えるためには、温度と水と酸素、そして種類によっては 冬の寒さが必要。

秋の終わりの 気まぐれな暖かさを 春と錯覚して芽を出してしまっては、冬に寒さで枯れてしまう。

寒い日が ある程度以上つづいた後で 暖かい日がおとずれたときに、はじめて芽をだすようにと、たねには芽生えの仕組みがプログラムされている。

さらに、光の量や 土のなかの深さなど、

どのたねにも、厳しい発芽の条件がある。

毎年たくさん実るミズナラのドングリのうち、大きな木になれるのは 百万分の1以下だ。

 

 種と同じように そうして、この世に生まれてきたのも 私たちなのでは ないかな・・・と 想いました。